会長・理事長挨拶

2024年中部デザイン協会理事長 新年のご挨拶


 
中部デザイン協会(CDA)は、コロナ禍からの3年間の眠りから目覚めたように、2023年を歩み出しました。まず何が出来る。何をしなければならないか。理事一体となって試行錯誤をして、活動の幅を徐々に広げました。まず宇賀敏夫会長による「デザインって便利なのか」を定時総会後の記念講演会にて、多くの示唆をいただきました。参加された会員はじめ皆さんと名刺交換・交流の場は、従来の活気を取り戻した感がありました。そして積み残しにされていた「平成から令和」と題する講演も行いベテラン会員のデザインへの思いを発信しました。法人会員セントラル画材(株)の地域貢献事業「HISAYA ART FESTA」の場では、CDAブースを設けて協会をアピールできました。また、(株)国際デザインセンターのご好意により、セミナールームにて、学生向けにデザイン技術の披露と体験講習会を展開しました。
さらに嬉しいことに宇賀敏夫会長の愛知県優秀技能者(現代の名工)に認定され、対外的にデザインの啓蒙することが出来ました。これを機に会員による研究発表会の案やワークショップ委員会の立ち上げなどに繋がってきています。
2024年は、これらの活動が具体的に計画され展開が広がっていくことになり、ワクワクしています。
これからも愛知県、名古屋市そして㈱国際デザインセンターと連携をより強化し、会員パワーを発揮させていく事業展開を遂行させなければと思います。
また法人会員と正会員とのコラボレーションも取り入れながら、会員相互の帰属意識を醸成させる事業展開も目指したいです。
未来に向かい大きな夢を抱きながら、ともに成長していきましょう。
中部デザイン協会 理事長 西村知弘

2022年会長就任のご挨拶


まず中部デザイン協会が誕生してから70周年記念を迎えるに当り、わが国で最初に出来たデザイン協会としての歴史を振り返り、その背景を考えてみたい。
1945年我が国の戦後の廃墟の中から社会経済を復興させるには、まず産業貿易を促進せねばならないとの、政府、経済界の要人達はまず海外との貿易を促進することが急務と考え、まず生活用品を主体とし真空掃除機、ガスレンジ、家具雑貨、陶磁器、等を貿易の対象品として、そのデザイン向上に重きをおき、生活用品振興センターなど設置してデザインの啓蒙を図ったものであった。
当時はデザインと言う言葉がまだ認知されていない時期だったので、価格の安い粗悪品などが市場に出回り、さらに、欧米諸国から我が国のデザイン模倣品などが指摘され、苦境に強いられた事が思い出されます。 
1951年アメリカから帰国した松下幸之助が「これからはデザインの時代哉で」という有名な言葉は我々の心に響いています。
この様な背景下にあった時代に当時の愛知県知事の桑原幹根氏、通産省工業技術院産業工芸試験所の所長を歴任した斉藤信治氏が愛知県工芸試験所所長としても、産業のデザイン啓蒙促進として両名が中心となって中部デザイン協会を設立しました。この意義は我々でデザイナーにとって、いやデザイン界にとって、大変大きなエポックとして、捉えなければならないと思います。 
現在社会には専門職のデザイン団体としてインダストリアルデザイナー協会、インテリアデザイナー協会、グラフィックデザイナー協会、クラフトデザイナー協会等幾多のデザイナー協会が存在しています。しかし全てが職を専門とするデザイン分野の協会団体であって、上記しました様に中部デザイン協会(以下CDAという)は発祥の原点が異なる事に注目して頂きたいと思います。 
従ってCDAの会員は建築、プロダクトデザイナーだけの会員ではなく、各分野のデザイナー、そしてデザイン教育に携わっている教育者、大学の先生、学生、企業の皆様が所属しています。中部地区は我が国の1/10の生産高を生産する地域と言われて、我が国の中核産業であるトヨタ(株)、三菱電機(株)、等の大手産業の他、家具、陶磁器、繊維等幾多の産業が存在しています。世界三大デザインイベント、工業デザイン(ICSID名古屋'1989)、建築インテリア(IFI名古屋'1995)、グラフィック(ICOGRADA名古屋'2003)の国際デザイン会議がこの名古屋の地で開催されたことを忘れてはならない事です。
CDAは2020年で創業70周年を迎え、個人、法人を問わず会員の展覧会、講演会、懇親会など計画されていましたが、世界を苦しめているコロナ禍のため、開催を一年延期の今年2021年に開催予定で進んでいます。社会を明るい未来を築くデザイン、ぜひ皆様のご参加ご支援を願い私の挨拶の言葉と致します。 
 
中部デザイン協会
会長 宇賀 敏夫

2022年理事長就任のご挨拶


2022年度のスタートにあたって
中部デザイン協会の皆様、コロナ禍であらゆることが一変してしまいましたが、活動の歩みを止めるわけにはまいりません。やれることから地道に進めたいと思います。
1950年12月愛知県の主導で設立された当協会は、2020年の12月に創立70周年を迎え、2021年1月に70周年記念事業を展開する予定でした。しかしコロナ禍の影響で、1年延期を余儀なくされて、2021年度ではコロナ禍でも実施できる事業に絞り込んで実施することとなりました。実行委員長会を仰せつかった身としてと、総意を結集してこの1月に記念誌の発刊と記念展覧会を開催することが出来ました。その記念誌の出来栄えは、ページを開く方々を感嘆させました。記念展覧会においてもおひざ元のデザインギャラリーでの開催を皮切りに2月にセントラルギャラリー、3月に岐阜市のマーサ21での展示そして4月には名古屋市民ギャラリー栄での展示と続き、広く各方面の方々の目に留まったことは中部デザイン協会が対外的にその存在感をアピールできました。
実行委員各位とご参加いただいた会員各位のご協力、ご尽力に深く感謝申し上げます。
ただこれまでCDAの先頭に立ち大黒柱の舟橋前会長が、昨年6月に逝去されたことはとても残念なことであり寂しい限りです。舟橋前会長は、病の身でも70周年記念事業の展覧会や記念誌発刊に向けてご自身の出品作品の入稿をいち早く済ませるなど、記念事業の成功をとても待ち望んでいました。CDAの中核的存在ともいえる舟橋さんを失ったことは、CDAにとっては大きな痛手ではありましたが、CDA70周年事業を機にさらなる発展に繋げていくことが、舟橋さんの遺志に報いることと思います。
2022年度の活動は、新型コロナウイルスが変異し、まだまだ日常生活や社会経済活動が大きく影響を受けるものの、これからも社会の動向に注視し地域社会に連携した活動や新たなニーズに対応した事業展開で、CDAのポテンシャルを挙げるとともに、さらなる飛躍・発展する協会になれるように新理事体制で歩み始めます。
本年度も宜しくお願いいたします。 

2022年4月1日
中部デザイン協会理事長  西村 知弘