CDA理事長のつれづれ

福永 祐三

どうしてデザインが必要なのか。デザインとは何か。そもそもデザインしているものとデザインしてないものとの境界線はあるのか。かたちあるものも、目に見えないものもデザインされているというが、いったいデザインされてないものはあるのか。誰かが何かを意図を持って作る時、必ずデザインされているとも言える。人間だけのことではなく、動物や植物も長い時間の中で自分の体を進化させてきたことは遺伝子レベルでのデザインである。また自分の体でなくとも動物が作る巣なども見事にデザインされている。

では生き物でなく大地や海や大気の巻き起す自然の行いはどうだろう。何かの意思で意図的に起きていないので、私たちが思うデザインとは違うだろう。大地震は無作為に大地や建物を破壊するものなので、デザインの対極にあると感じる。台風や竜巻も同じだ。自然の行いの中では太陽や月と地球との関係性からくる昼夜の長さの変化や温暖の変化、そして潮の満ち引きなど、宇宙の原理による規則的な現象はたくさんある。感動的な大地の風景を生み出すことも多いが、これも意図的に計画されたものでもなく、偶然の賜物である。そもそも地球という星は多くの奇跡的な偶然が幾重にも重なって、生物が育まれた。しかも文明を築く人類が生息するに至った。宇宙の成り立ち自体が神秘に満ちているので、何かの意図を持ってデザインされたと言えないこともないが、神話の世界に突入するため、我々がいうデザインという概念からは外しておく。

ルイス・サリバンの「形式は常に機能に従う。」(Form ever follows function. )という言葉がある。何かの問題を解決しようとする答えを追求していくと結果的に美しいものになると説くこの言葉がバウハウスなど近代デザイン思想の基礎になっていった。デザインは課題解決とも言えるので、最初から美しさが目的ということでなく、よりスマートな解決方法を追求した結果、美しいものになっていくということだと思う。これは物事全てに通じるのではないだろうか。人間が感じる美しさは、物事が整理整頓された状態であることが根底にあり、それは物事が効率的になるために必要なことだということを本能的に感じ取っているからかもしれない。

本能的に気持ち良いという快適性を考えると、整理整頓された美しさが良いのであろうが、危険を認知させたり、人の目を強く引き寄せるためのものは、周りの環境との調和を乱すような強い刺激が必要な時もある。デザインする対象物に求められる機能とは、問題解決という意味でいうと、合理的な側面と心情的な側面の両方が入り混じっている。使い易い、わかり易い、丈夫、安心、気遣いがある、楽しい、面白い、癒される、目立つ、怖がらせる、高級に見える、自慢できる、安く見える、高く売れる、ビジネスを伸ばす、などなど多岐にわたる。機能という表現より意図というほうが当てはまる気がする。

私は「Design follows intention. デザインは意図に従う」ということかなと思っている。人間の生み出す創造物には意図があり、その意図がある限り、デザインされているということになる。世の中の全てを見まわして、人間の手がかかっているものでデザインされていないものを見つけることはとても難しい。見渡す限り衣食住全てがデザインされている。街並みもそうだし、田畑もそうだ。アナログの世界からデジタルの世界へと広がり、またモノの価値から経験の価値へと焦点が移るとともに、触れられるもの、触れられないもの、目に見えるもの、目に見ないものなど、境のない領域がデザインの対象となっている。デザインされた服装に包まれた人間自体、またそのパフォーマンスも言動もデザインされていると考えたら、それこそ目前に存在する人間活動の全てがデザインされているといえなくもない。また時間を経て価値が高まる遺産や大切な人の所有物を受け継ぐことが価値になったりすることもある。そのようなストーリーや伝説を作り上げることもデザインだとすると、時を越えた作業でもある。

ここまで言うと、意図があれば全てデザインしているということになる。確かに英語の「Design」は「意図する。計画する。」という意味があるので、広義でいえば人間活動のほとんど全てがデザインである。最近はいろいろなところで○○デザイナーという言葉が使われる。デザインという領域が広がっているので厳密にデザイナーの定義はできないが、Wikipediaに職業としてのデザイナーとは、「クライアントや依頼主が存在し、それら発注者の意図にデザインで応じる仕事である。」とある。発注者の意図は千差万別であり、意図に対するソリューションも数多くの選択肢がある。プロのデザイナー(建築家も含む)は数多くの選択肢の中から最高のものを提示するための腕を競い合っている。デザインの対象物の全てをプロのデザイナーが行っているわけでなく、子供から大人までの全ての人類がそれなりの意図をもって何かをデザインしている。しかし、プロのデザイナーの仕事は、大量生産されるものや世の中に影響力のあるものを扱い、世の中の多くを形造っているため、人間社会全体に対して大変大きな責任がある。

デザイナーは発注者の意図を汲むにしても、デザイナー自身が人間社会や地域全体の事を考えたうえでのソリューションを提示することが可能である。プロとして発注者の意図に応えるとともに、人間社会の未来へ向かった大きな意図に自ら応えたデザインをすることが、本当の意味での「Design follows intention. デザインは意図に従う」だと思う。

以上。

つれづれということで、まさしくとりとめのない日記となったことをお許し願いたい。

 

○ 中部デザイン協会では、会員の皆さんの作品展・展示会など、商用・個人を問わず、「会員からのお知らせ」に掲載します。ぜひご活用ください。
右記アドレス宛てにお送りください。

美術館・ギャラリー情報の内容は保障できかねますので、お出かけの際は、展示期間・内容を各施設にご確認ください。

CDA関連・会員参加
CDA会員作品展 5/10〜5/20

鬼頭正信「RT」展

  5/4〜5/8 着色と木色 舟橋辰朗・舟橋美恵子個展
  4/25〜5/8 集う(tudou) Les Amis du Solleil 伊藤陽子と仲間達
CDA法人会員
セントラル・
アートギャラリー
052-951-8998
4/26〜5/1 第6回朝一のスケッチ散歩教室展
  5/3〜5/8 星野木綿 水彩画展
  5/10〜5/15 岡本滋夫作品展
  5/17〜5/22 日本透明水彩会(JWS)名古屋展
  5/24〜5/29 タイムカードギャラリー
  5/31〜6/5 花と土と人展
  6/7〜6/12 アートサロン大賞展
  6/14〜6/19 山田久仁夫教室展
  6/21〜6/26 小原まゆみ作品展
美術館等 [ 愛知県 ]
名都美術館
0561-62-8884
CDA会員特典有
4/1〜5/29 高島屋史料館所蔵 日本美術と高島屋〜交流が育てた秘蔵コレクション〜
  6/11〜8/7 所蔵品展 道 暮らし・祈り・人生
杉本美術館
0569-88-5171
CDA会員特典有
4/21〜9/20 動物のいる風景展
愛知県美術館
971-5511
4/1〜5/29 黄金伝説展 〜燦然と輝く遺宝 最高峰の文明展
  8/11〜10/23 あいちトリエンナーレ2016 虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅
名古屋市美術館
212-0001
4/29〜7/3 生誕130年記念 藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画
  8/11〜10/23 あいちトリエンナーレ2016 虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅
名古屋市博物館
853-2655
4/16〜6/19 特別展 アンコール・ワットへのみち インドシナに咲く神々の楽園
  7/23〜9/25 特別展 世界遺産・ポンペイの壁画
名古屋ボストン美術館
684-0101
3/19〜8/21 近代ヨーロッパの光と影 ルノワールの時代
古川美術館
763-1991
6/11〜8/7 古川美術館:古川美術館開館25周年企画展「名品コレクション?花鳥の宴」(仮称)
分館爲三郎記念館:特別展「有松から世界へ 絞りの継承者・竹田耕三の軌跡」(仮称)
徳川美術館
935-6262
4/16〜5/29 春季特別展 ぶらり浮世絵散歩 ?平木名品コレクション?
  6/1〜7/10 企画展 ジャパン・デザイン −日本の美をもとめてー
岡崎市美術博物館
0564-28-5000
4/9〜5/22

特別企画展 大鎖国展 -江戸に咲いた異国の花-

  6/4〜7/18 企画展 親善都市 福山の文化財展
  7/30〜8/21 企画展 おかざきの美術100年展
豊田市美術館
0565-34-6610
4/27〜6/26 デトロイト美術館展
豊田市民芸館
0565-45-4039
2/9〜5/29 企画展 本多静雄コレクション 愛知県陶磁美術館所蔵 陶磁のこま犬
  6/7〜9/25 企画展 (仮)動物文様の民芸
刈谷市美術館
0566-23-1636
4/23〜6/5 日本近代洋画の巨匠 和田英作展
  6/11〜7/17 常設展第1期 New Collection展 新所蔵作品を初公開!
メナード美術館
0568-75-5787
3/4〜5/8 所蔵企画展 どうぶつ図鑑
  5/14〜7/10 メナード美術館 版画と彫刻コレクション 表現×個性
国際デザインセンター
4Fデザインギャラリー
4Fデザインミュージアム
265-2106
4/27〜5/2 ひょうたんカフェクラフト展
  5/11〜5/16 草場一壽 陶彩画新作[名古屋個展]
  6/2〜6/3 山中・漆うつわ会+1展
  6/8〜6/13 JIDA中部ブロック40周年記念展示会“I’m Designer”
  6/15〜6/19 名古屋造形大学 ZOKEI WEEK
松坂屋美術館
264−3611
4/29〜5/28 ?マーガレット・別冊マーガレット 少女まんがの半世紀? わたしのマーガレット展
  6/1〜6/7 第38回 日本新工芸展
  6/11〜7/10 郷さくら美術館所蔵 美しき花鳥風月 現代日本画名品展
  7/16〜9/4 生誕80周年記念 藤子・F・不二雄展
碧南市
藤井達吉現代美術館

0566-48-6602
4/1〜5/15 大正の煌めきを求めて -新収蔵作品を中心に
  6/11〜8/7 いわき市立美術館名品展 アメリカ美術の力
高浜市やきものの里
かわら美術館

0566-52-3366
4/2〜5/15 関野凖一郎 東海道五十三次
  5/21〜7/3 やさしいかわらのおはなし
大一美術館
 413-6777
4/19〜10/30 陶芸家としてのエミール・ガレ展
  4/19〜8/7 現代ガラスの表現展 vol.1
桑山美術館
 052-763-5188
4/6〜7/3 カワイイ!日本画 〜可愛らしさのツボを探ろう〜
美術館等 [ 岐阜県 ]
岐阜県美術館
058-271-1313
4/1〜6/5 ナンヤローネ No.0
  6/16〜6/19 岐阜県青少年美術展 青年部
  6/23〜6/26 岐阜県青少年美術展 少年部
  7/9〜8/21 北海道立近代美術館コレクション ゆるり日本画 絵の中の旅
  7/16〜9/25 アートまるケット 日比野克彦ディレクション「ながれミながら」
岐阜県現代陶芸美術館
0572-28-3100
12/19〜5/8

アール・ヌーヴォーの装飾磁器

  4/29〜7/31 2015年度魅力発信事業成果展 リフレクション
  5/21〜7/10 セラミックス・ジャパン 陶磁器でたどる日本のモダン
美術館等 [ 三重県 ]
三重県立美術館
0592-27-2100
4/23〜6/26 招き猫亭コレクション 猫まみれ展 ―アートになった猫たち 浮世絵から現代美術まで―
リンダ・デニス展 Linda Dennis Exhibition On Touch: Extend
  5/14〜6/19 伊勢志摩サミット開催記念 「神の宮」 増浦行仁写真展
  7/9〜9/25 丸沼芸術の森所蔵 ベン・シャーン展
美術館等 [ 新潟県 ]
新潟県立近代美術館
0258-28-4111
3/5〜5/15 ジブリの大博覧会
  6/4〜8/21 モネ展
美術館等 [ 長野県 ]
長野県信濃美術館
東山魁夷館

026-232-0052
4/16〜6/26 ジブリの立体建造物展
  7/9〜8/28 企画展 東京富士美術館コレクション 巨匠たちの競演 西洋絵画の300年〜ヴァン・ダイク、ドラクロワ、モネ、シャガール〜
  4/7〜5/31 東山魁夷館  第I期「画家への決意」
  6/2〜8/2 東山魁夷館  第II期「日本画への出発」
北澤美術館
0266-58-6000
12/2〜10/2 開館30周年記念特別展 「秘められたるガラス技法、パート・ド・ヴェール展」
  4/10〜6/9 内田敏樹 とんぼ玉展
  4/23〜10/31 ―日本画の巨匠― 文化勲章受章作家展