CDA理事長のつれづれ

アンコール遺跡群

 3月、顧問を勤める「建築サークル」のメンバー学生9名と友人の建築設計事務所長との11名で「旅の大学3・アンコール遺跡群を極める」と名付けた建築研修を行った。私にとっては4回目のカンボジア訪問であった。

 アンコール遺跡といえば、誰しもアンコール・ワットを思い浮かべるであろう。だが、その遺跡群には何十もの寺院があり、アンコール・ワットはアンコール王朝のかなり後期に作られたものであるが、大きく、残っているが故に最もよく知られる存在となっている。大きさでいえばアンコール・トムがはるかに大きく、まさに都であり、ワットは一寺院にすぎない。飛行機の窓から見たアンコール遺跡群には、すでに埋められて農地になっている東バライの貯水池の形が緑の色の違いでよく見える。西、東バライの浚渫が出来なくなり灌漑が不可能になったときアンコール王朝は衰退し、密林に消えたことがうなずける。かつて4毛作であった水田は、現在は1毛作だと聞いた。


アンコールワット上空より  堀に囲まれているのがワット、
上の道路に囲まれた部分がトムの4分の1ぐらいか

 10年前の雨季の旅では、スコタイ、アユタヤを先に見、バンコクでアンコール・ワットの模型を見て(模型といっても石材で精巧につくられた巨大なもの・それの小型が幸田町のアンコール・ミュージアムにあり、たしか2005年の愛知万博でカンボジア館に展示されたと記憶している)いやがゆえに興味を掻き立てられた。そしてシェムリアップへ。翌朝は豪雨で1階に宿った私は、部屋への浸水のため2階の空き部屋へ避難する始末であった。雨の中のアンコール・トム、バイヨンは人影も少なく強く印象に残った。アンコール・ワットもさることながら、「東洋のモナリザ」で名高いパンテアイスレイ遺跡、ジブリの「天空の城ラピュタ」のモデルの一つとなったタプロム寺院は遺跡の保存修復について考えさせられるものであった。


アンコールトム南大門の四面観音とナーガ

タプロムにて記念撮影

パンテアイスレイ遺跡「東洋のモナリザ」若き日のアンドレ・マルローが盗み出し、
プノンペン空港で捕まった。後日彼は文化相となり、遺跡の保護に尽くした。

 5年前には、JIA日本建築家協会のメンバー十数名と共に再訪した。JSA(日本政府アンコール修復支援チーム)のコネでバイヨン南経堂の修復現場に入れていただくなど、アンコール遺跡群はもとより、アンコールに首都が移る直前のコーケー遺跡(初期の高さはアンコール・ワットと同じ65mであったが最上層が木造であったため崩壊し、現在は35m。最も角度が急な寺院)を訪ねた。



バイヨン南経堂修復現場(2007)

バイヨン216面の観音像

コーケー遺跡中央祠堂(この上にかつては
30mの塔があった)

さらに、聖地プノン・クレーン、これも「天空の城ラピュタ」のモデルの一つと言われ最近人気のベンメリア遺跡、タイ国境まで長躯して千手観音の壁画で名高いパンテアイ・チュマール遺跡などを探索した。


聖地プノンクレーンの水中遺跡 光と影で
観音様が見える(見えない人もいる)

ベンメリア遺跡、両側に地雷処理の
旗が立つ中を進む

パンテアイチュマールの千手観音

 今回はシェムリアップに集中し3か所の修復現場を見るなど、教育的側面をやや強調したが、過去には修復中で入れなかった大涅槃像のパポン遺跡やビミアナカス遺跡、パンテアイサムレ遺跡、密林の水中遺跡・クバルスピアンなどを廻った。また、パンテアイスレイの装飾彫刻の修復を行い、その技術を受け継ぐ「ラチャナII」や「アーティザン・アンコール(職業訓練校)」を訪ね、修復技術の伝承とその技術を活かした新たな産品を生み出す現場を見学できたのは私にとっても、学生にとっても大きな収穫であった。


パポンの大涅槃像

ビミアナカスにて

 若い学生とフリータイムでトンレサップ湖へクルーズし、ナイトマーケットへ出かけ、トゥクトゥクで走り回ったのも楽しい思い出となった。


トンレサップ湖湖岸のトゥクトゥク

トンレサップ湖の水上集落

 3月のカンボジアは夏、連日35度以上の気温だったが湿度が日本より低いので意外と過ごしやすく、沢山の果物を屋台や果物屋で買って食べた。あまり食べなかったのに学生の半数以上が下痢症状となったが、大人は大丈夫でした。若者はひ弱というか温室育ちだ。

その時の果物の種の一部がいま我が家で育っている。昨今の猛暑を考えると、20年もたったら名古屋でも東南アジアの果物が成るかも知れない。

(著 中部デザイン協会理事 高橋敏郎)

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