CDA理事長のつれづれ

多面体世界の発展

後から思い返すと

 多くの出会いが、それの実現のために用意されていたんだなと思えてくる。それとは、多面体作品の発展のことである。
 全ての出会いの最初は、授業で学生たちが作り、卒業して残していった小さな立体作品である。この針金や竹ヒゴの作品を見て、処分するにはあまりに残念、なんとか日の目を見させたいと思ったことから始まる。時は1998年。

展覧会に出す

 私はそれらを大きな照明器具にして、展覧会に出したいと思った。その頃建築、インテリアの友人たちからグループ展の誘いが来ていたのである。この誘いが2番目の巡り合わせである。
 作り始めたら、なぜか星型の作品が多い。真ん中に光源を入れる形は球形や星型になる。その中から面白い形を選んで、学生たちといっしょに竹ヒゴと和紙で照明器具を作っていった。

カワイイに出会う

 このモダンな星型提灯は大変好評だった。展覧会後も作りたいという学生が次々にやってくる。星の形が可愛い、と言うのだ。これが最初の「カワイイ」との出会いである。当時の私には、その感覚がピンとこなかった。しかしこれがそれからの時代を席巻する「カワイイ」のハシリだったと思う。
 2年後に和紙だけの折り畳み式に切り替えた。竹ヒゴのランプはかさばって、展覧会後の管理が大変だったからである。カラフルで味のある和紙の星型照明はとても好評であった。特に卒業生たちが協力してくれて、この手作りワークショップは3年ほど何度も行なう活動になった。

卒業生たちとの共作

2003年3月、ワークショップの結果として展覧会「Stella'21」に発展した。何か作りたい、何かを表現したいという卒業生たちの気持ちと共鳴したのだろう、たくさんの卒業生が参加してくれた。それがずっと続いて、今年で11回目になる。

星が丘テラス開業

 大学と駅の間にある星が丘テラス、これの開業1年半前に「新しい街を作るから、参加しないか?」と言われたのが2002年のことである。それが「星が丘テラス」との最初の出会いである。大きな模型を前にみんなの顔が輝いていた。そうだ、「街路樹に星を吊りましょう!」
 クリスマスの工事現場の横、急ごしらえの星形ランプが風に揺れることになった。「外で使用するから紙からプラスチックに」、これが「星が丘テラス」との出会による我々の大きな変化であった。
 ところで制作作業は、ハサミやカッターでの手作りという大変な作業であった。それを黙々と行った学生たちは絶賛に値するが、作品の制作精度は高いとは言えない。23個の内4個が風により分解し、壊れてしまったのである。

レーザー加工機に出会う

 イルミネーションとして外で使用したい。となると、風雨に強いものを作らなくてはならない。そう考えていた頃、プラスチック工業会の主催する展示会でレーザー加工機に出会った。その加工精度は素晴らしかった。そして何より、安全な機械であることが女子大生を預かる我々の授業内容にぴったりであった。
 当時、木工授業での事故や安全管理の難しさが取りざたされている時であった。安全な工作機械が求められていたのである。タイミングが良かったのだろうが、2005年、大学がレーザー加工機を購入してくれたことで、いっきに作品の制作範囲や完成度が上がることになった。

椙山女学園100周年記念作品展

 2005年、在籍する椙山女学園は100周年を迎え、その記念作品展が我々のいた旧学部棟で行われた。私はその会場作りを一手に計画・実践する役目を仰せつかった。この展覧会でもレーザー加工機は、作品作りだけでなく、各種のサイン表示に大きな力を発揮した。大きな買い物は、その魅力を大いに発揮したわけである。
 だが、私にとっての収穫は、幼稚園、小学校、中学校、高等学校の先生方との出会いである。その時関わった先生や事務の方々との同窓会は今でも続いているほどだが、レーザー加工機で作った多面体組立パーツを幼稚園年少組から高校三年生までの15年代全ての学年で行う実験授業を行うことができたのは、この時の人脈があってのことだと思っている。
 おかげで、立体・空間把握能力がどの年代で発達するかの貴重なデータが入手できた。しかしそれ以上に、この実験授業そのものが生徒たちに大いに好評を得たことがとてもうれしかった。特に幼稚園児と小学校下級生が、この組立パーツ(AIパーツ)に担任の先生がびっくりするほどの集中力を見せたことである。そして、これが学生たちの小さな店での活動につながることになった。

「デザインの間」の活動

 先にも書いたように「星が丘テラス」との関係は、毎年のクリスマスのイルミネーション作りとして続いている。続けていると、いろいろな方向に発展していく。2008年11月、駅前にできた中部電力のショールーム「デザインの間」とも大きな出会いになった。ここに作品を毎月15個ずつ作って飾ることになった。制作活動の激増である。
 一年間に160個、2年で320個の作品。この大量の制作活動は、私にも学生たちにも良い経験になった。この日本の歳時記に合わせた企画は、技術的にも、造形的にも作品制作に大きな幅を持たせることになった。これは大きな収穫である。

学生の店「カリーナ」の誕生

 最後に
 学生たちには、何が可愛いかの正確な判断力がある、と私は思う。私が学生たちの授業作品に魅力を感じて、それを何とかして世に出そうと考えたように、彼女らにもきっと自分たちのデザインがみつかるはずだ。大学に入り、デザインを学び、「カリーナ」に出会った。その出会いを大切にしてほしいと思う。そして後から考えると、その出会いが彼女らのモノづくりに素晴らしい機会を与えたと思えたら嬉しい。

(著 中部デザイン協会理事・椙山女学園大学 雨宮 史郎(勇))

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