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CDA理事長のつれづれ

日本文化の歴史は多かれ少なかれ、古くより各地に伝えられる神仏に関わる慣習に大きく影響を受けている。IT社会における現代の我々の生活の中でも、新年の初詣でに始まり、節分、節句、七五三、盆供養、彼岸の入り、等々日常様々な慣習を通して日々を暮らしている。

そうした中で今回、神社や寺院で必ず目にする奉納絵馬について取り上げてみた。というのも実は長年、名古屋市南区にある絵馬製作会社から依頼を受けて、年ごとの干支や各種祭事に関わる絵馬の原画を描き続けている。振り返ってみるともうとうに干支のひと回り(12年)は越しており、随分色々な絵馬を描かせて頂いたことになる。今年は巳年ということで、絵の題材としての華やかさはあまり無いが、干支の中でも古来より神聖な神の使いとして各地で崇められ、また生命力の強さの象徴として、あるいは雨や水に関わる守り神としても大切にされてきた。ただ、かたちがシンプルな題材だけに、表現には一番苦労するテーマであり、新年の晴れやかさを表すには色使いなど工夫が必要だ。写真は今年の絵馬のために昨年制作した原画と、過去に作られたいろいろな巳年の絵馬。


25年巳年の原画1

25年巳年の原画2

巳年の絵馬いろいろ
 

通常、干支絵馬製作の流れは前年の春頃までに原画が決まり、その後版下をもとに約半年を掛けて絵馬板にシルクスクリーンで印刷が施され、年末までには全国の社寺に配送される。大量に作られるとはいえ作業はひとつひとつ手作りで、製作には思いのほか時間がかかるようだが、祈願される方達の願いが少しでもかなうようにとの気持ちを込めて作られている。


寅年の絵馬原画

卯年の絵馬原画

卯年の絵馬

辰年の絵馬原画1

辰年の絵馬原画2

辰年の絵馬

絵馬の起源には諸説あるが、古来より馬は神を乗せて来るものとして神聖視され、飛鳥時代以前には神事に際して生きた馬を奉納する習慣が生まれた。その後時代とともに本来は生馬の奉納であったものが、土器馬や木馬などの馬形に変わり、さらには馬の絵を描いた板絵へと変化して行った。古くは奈良時代の遺品の中にそうした板絵のなごりを見ることが出来る。さらに時代を経て、江戸時代の町人文化が華やかな頃には人々の願いも多様化し、様々なテーマの絵馬が作り出された。近年では、新年の干支絵馬や交通安全絵馬、合格祈願絵馬等が主体となっているが、当時は病気治癒や子供の成長、縁結び、安産祈願、禁酒、禁煙、縁切りまでも絵馬を奉納することで願掛けをする習慣が一般的であった。それらはまだ手描きのものが多く、素朴な味わいのあるものが各地に残されている。
絵馬の形状も大きくは四角型のものと屋根型に分けられるが、現在一般的になった屋根型は後の時代から使われ始めたようだ。また、大きさも庶民が奉納する小型のものから、富裕層や高貴な人々が奉納する大型絵馬がある。各地の主要な神社にはそのような大型絵馬を奉納するための絵馬堂が作られ、今でも現存するところも多い。写真は常滑市にある多賀神社の絵馬堂で造りは比較的新しいものだが、大正から昭和初期頃の大絵馬が雑然と部屋一杯に並べられている。また、現在一般に奉納される小絵馬は海に近い土地柄のためか、題材には珍しい蟹と水辺の絵が描かれていた。


多賀神社の絵馬堂内部

多賀神社の古い大絵馬

多賀神社の蟹絵馬
 

神社だけでなく、古いお寺の中にも大絵馬が奉納されているところがある。写真は春日井市にある大光寺の奉納絵馬で、この寺のすぐ横には和爾良神社があり、同じ敷地内に社寺が現存するという神仏混淆のなごりを残している。


大光寺の奉納絵馬

かたちと言われが珍しい絵馬としては、豊田市にある猿投神社の左鎌型絵馬がある。ここの絵馬は屋根型でも四角型でもなく、草刈り鎌のかたちをしている。由来は、日本武尊の双児の兄で御祭神の大碓命が左利きであったという言伝えから、災難を断ち五穀豊穣、病平癒を願うところから始まったのであろうと伝えられている。現在は作業安全や技術向上を祈願する会社関係の奉納が多いようだ。


猿投神社の左鎌絵馬

そのほか、滋賀県の竹生島にある都久夫須麻神社の弁財天と琵琶湖に棲むという龍神を祭る絵馬。この竹生島も宝厳寺と共に神仏混淆の姿がそのまま残されている。 またこの時期、合格祈願でにぎわう千種区の上野天満宮では、天神様を描いた通常の屋根型絵馬の他に、今風の可愛らしいミニチュアの天神様人形が、境内の牛の像のまわりに所狭しと奉納されていた。 これもまた新しい時代の絵馬のひとつのかたちであろうか。新しいものと古いものが共存しながら、これからも庶民の暮らしの中でこうした絵馬奉納の習慣は続けられて行くのであろう。


竹生島神社の弁天絵馬

上野天満宮の天神絵馬1

上野天満宮の交通安全絵馬

上野天満宮の天神様人形

(著 中部デザイン協会理事 丸井とも子)

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2/9〜3/10 加賀赤絵展 魅惑の赤・煌めく金彩
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1/22〜3/10 富山県水墨美術館名品展 墨色の輝き
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3/8〜3/11 新収蔵作品展
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