中部デザイン協会ホームページ
○ 今月の写真は「若い太陽の塔」
2011年は岡本太郎氏(1911−1996)の生誕100年ということで、犬山市にある日本モンキーパーク(以下「モンキーパーク」)の「若い太陽の塔」の修復作業が終わり、10月1日から一般公開されています。モンキーパークは私の家からなんと車で3分、自転車で上り坂を12分程度(帰りは5分)。とても近いのです。この塔は展望台になっています。登ってみると思ったよりも高くて、犬山の街を一望することができます。自宅からモンキーパークまで自転車で心臓破りの上り坂を登り、塔までの登り階段をひたすら上がり、たどり着いた甲斐がありました。 塔の下にはこんな言葉が添えられていました。

"若い太陽の塔"

ひろびろとした丘の上に
  "若い太陽"が生まれる
日に日に新しく生まれ変わる
  われわれの生命の象徴
金色に輝く顔はおおらかに
  バイタリティを放射する
赤 青 緑の装いは
  濃い青春の彩りである
          岡本太郎

これは、帰ってから調べましたところ、塔の建設当時・・・昭和44年4月、名鉄電車が記念乗車券「犬山ラインパーク・シンボルタワー 若い太陽の塔完成記念乗車券」を発行し、その裏に書かれていた岡本太郎氏の言葉のようです。 このような岡本太郎の思いが込められた巨大な作品、"若い太陽の塔"がある街に住んでいるのは、なんだか幸せなことなあ、と改めて思いました。 犬山には、そのほか、現存する最古の国宝の城である犬山城、織田有楽斎が建てた同じく国宝である茶室如庵、フランク・ロイド・ライト設計の帝国ホテルなどを含む明治村もあり、見どころの多いとても良い町です。機会がありましたらぜひ遊びにいらしてください。

(Posted by 堀真紀子さん)
○ 中部デザイン協会では、会員の皆さんの作品展・展示会など、商用・個人を問わず、「会員からのお知らせ」に掲載します。ぜひご活用ください。また、デザインコンペにつきましても掲載いたします。
右記アドレス宛てにお送りください。

CDA理事長のつれづれ

ペットボトルデザインの秘密

ペットというと犬や猫といった愛玩動物(Pet)と重なり、また昭和40年代頃にはペットというネーミングが大はやりした。私が関係していた当時のマーカーがケミペット、今も社名で使われているトヨペット等、多くのペットネームが出現した。だからペット樹脂が出現した頃、ペット、ペットと名前が飛び交うので樹脂のペット化と錯覚していた。
PET樹脂は、ポリエチレンテレフタレート=Polyethylene Terephthalateと言い、長いので日本ではP・E・TをとってPETと呼んでいる。ペット樹脂は、1967年米国のデュポン社で開発された。デュポン社は、ナイロン、ポリアセタール、ふっ素樹脂等、数々の優れたプラスチックを開発した最先端企業です。その十年後の1977年にキッコーマンが、日本で初めて醤油の容器として採用した。ペットの前は塩ビ製であったが、1982年食品衛生法の改正により清涼飲料用ペットボトルの使用が許可されたために、急激的に需要が増大した。
今回はこの様に普及し、ごく当り前のペットボトルのデザインの秘密に迫った。
無数にある清涼飲料の中からお茶、水、コーラの3種を取り上げ、さらに2銘柄を比較してデザインの考えや、内容物と容器形状との関係を追求した。
店頭には、ペットボトル以外に不透明で少しやわらかい容器が沢山あります。石油タンクや各種洗剤ですが、これらのほとんどはポリエチレン樹脂(PE)で作られています。作り方は、ポリエチレンもペットも風船のように、空気で膨らますブロー成形(吹き込み成形)ですが、実は同じようであっても大きく異なります。ポリエチレン容器は、熱せられた中空状のチューブに空気を吹き込み成形します。(図1)しかしペットは、試験管形状のプリフォームというものを、射出成形でまず作ります。(写真1)これを金型にセットして、高圧空気を吹き込んで成形します。これを専門的ですが、延伸ブロー成形といいます。樹脂が2軸(下と横方向)延伸されるので、強靭な容器ができる。(図2)


図1 ブロー成形

写真1 プリフォーム(T社で撮影)

図2 延伸ブロー成形

私も20年近く前に、ペットボトルのデザインをT社と行っていたので、ある程度の知識はあるのですが、年月も経ちその知識も怪しくなっているので、T社の元担当者に電話を入れた。しかしすでに退社をされておられたので、やむなく事情を話して、商品担当のS氏に時間を取って頂きいろいろと教授頂いた。
S氏からの情報も交えながら、まずお茶から具体的に話を進めて行きます。
伊藤園の「お〜いお茶」は、1996年に発売され累計150億本も生産された。今ではまさにペット茶の代名詞である。そこに2004年サントリーが「伊右衛門」で参入し、現在熾烈な競争が行われている。今回取り上げるのは、ラベルのデザインではなくラベルを剥がしたペットボトル本体のデザインについて考えて行きます。(写真2)


2 お〜いお茶と伊右衛門

ラベルを剥がして並べて見ると、どちらが「お〜いお茶」か「伊右衛門」か解りますでしょうか、ほとんど同じように見えませんか?ペットボトルの容器形状の基本は、横リブでクラッシュする力を防止します。この両者も上下に太い横リブで強度を保っています。中央部は面カットした縦リブですが、お〜いお茶は太い縦リブと六面カットで強度を出しています。一方伊右衛門は楕円形状に八面カットしたデザインであるので、簡単に歪んでしまう。歪みによって強度を保つ考え方です。(写真3)この違いについてS氏説明を受け納得をした。それはお茶の製法が全く違うことによって、生まれた形状であることがわかった。お〜いお茶は、85℃の高温のお茶を充填するので、口部を耐熱化する必要があり、そのために結晶化(分子の整列化)させている。それにより口部が白化し、全体に透明度も少し落ちる現象が起る。高温充填された後、冷めると減圧するので太い縦リブで強度を保つ必要がある。それに対して伊右衛門は、アセプチック充填(常温)するので結晶化する必要もなく、減圧もないのでフワフワボディーで充分で、透明度も高い。一年生の孫娘でも簡単に凹んでしまいます。(写真4)ラベルの裏側にそのような秘密が隠されているのです。


3 ラベルを剥がした本体

4 簡単に凹む伊右衛門

次に水ですが、代表的なサントリーの「天然水」とコカコーラ社の「いろはす」を取り上げた。(写真5)お茶のボトルと比べるとラベルは極端に小さく極薄である。これはお茶やコーラが150円に対して、水は110〜120円(自販機価格)と安いので、極限まで薄くしてコストを下げていると考えられる。重量を量ると13〜14g、お茶コーラは25〜27gであるので約半分。また中心部で肉厚を測ると0.05mm、お茶コーラが0.25〜0.3だから1/5の薄さです。だから持ってもベコベコで破れそうな位です。そのような薄いボディーを基本形状である横リブや凹面カットのデザインで、キラキラ感を出しているのも水ボトルの特徴。さらにこれらのデザインに隠された秘密は、クラッシュのためのデザインであるのです。このデザインにより上から押し付けると、簡単にクラッシュし約半分の体積に変身するのです。(写真6、7)


5 天然水といろはす
 

6 ラベルを剥がした本体

7 クラッシュした状態

最後はコーラボトルです。世界的なメジャー商品で独特な味は強い炭酸で、さらに特徴的な味わいに仕立てられている。この2大コーラボトルを見てもらうと、今まで説明してきたボトルデザインの基本形状である補強リブは1本もありません。わずかに薄い模様があるのみです。(写真8、9)コーラ及び炭酸飲料類は、炭酸ガスが封入されているので内圧が大きく、容器を常に押し拡げる力が強く働いている。そのため押さえてもびくともしない、まるで凍っているみたいに硬い。だから肉厚が均等で、形状が円筒であることが基本条件です。
リブがあると変肉が起りそこに負荷がかかり、破裂が起る原因となるので炭酸飲料はすべてシンプルな円筒形状です。しかし内容物がない状態では、まったく剛性がありません。(写真10)


8 コカコーラとペプシ
 

9 ラベルを剥がした本体

10 剛性のない本体

またコーラボトルの特徴は底の五角形の特異なリブ形状です。これをペタロイド形状と呼ぶことをS氏から教えられた。ペタロイド=Petaloidは花弁の意。この形状が開発される前は、底は球形で自立しないので底に筒状のキャップを嵌めていた。だからこのペタロイド形状の開発は画期的な発明です。(写真11)
この全能的なペット樹脂ですが、1つだけ欠点があるのです。それはガスが透過してしまうことです。そのため各社は、内面にカーポンコーティングしたり、ナイロンとの積層構造にして、ガスバリヤー性を高めているのです。ペプシのボトルを横に切ったら3層の積層構造の秘密が現れてきた。(写真12)


11 ペタロイド形状

12 積層構造

3種のペットボトルを取り上げただけでも、それぞれに対応したデザインがあり、知恵が隠されていることがお解りになったことと思います。
さて11月4日に協会の賛助会員でお世話になっている、石塚硝子社を見学させていただきます。硝子専門のメーカーと思っていたが、事前に頂いたカタログをみるとグループ会社で、ペットボトルの基になるプリフォームが生産されているのに驚いた。今度の見学の折りその事情を尋ねてみたい。


(著 中部デザイン協会 理事長 舟橋 辰朗 2011/10/30)

参考図書:プラスチックがわかる本 佐藤 功著、図解雑学プラスチック 佐藤 功著、プラスチック成形材料 森北出版(株)

美術館・ギャラリー情報の内容は保障できかねますので、お出かけの際は、展示期間・内容を各施設にご確認ください。

CDA関連・会員参加
CDA会員 11/7〜12/25 金属造形S展 −ジュエリーからモニュメントまで−(鬼頭正信・堀真紀子)
CDA会員 11/28 次世代自動車産業国際シンポジウム「自動車産業の次世代化と地域企業への期待(木村徹)
CDA会員 11/22〜11/27 第43回美術展欅(尾田原茂稔、山本敏子、加藤高茂、渋谷寿、堀江忠史、西村知弘)
CDA会員 12/24 LEDで光るクリスマスツリーをつくろう(細川修)
美術館等 [ 愛知県 ]
愛知県美術館
 971-5511
11/11〜1/22
  • 生誕100年 ジャクソン・ポロック展
  2/3〜3/25
  • うつし、うつくし (所蔵作品展)
名古屋市美術館
212-0001
11/1〜12/25
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  2/11〜3/25
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名古屋市博物館
853-2655
10/22〜12/4
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  12/22〜3/4
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古川美術館
763-1991
10/15〜12/18
  • 【古川美術館 開館20周年記念特別展 】「名品の彩り 古川美術館の20年」
  • 【分館爲三郎記念館 特別公開】「作家たちの古今〜20年の歩み」
  1/2〜2/26
  • 【古川美術館 新春企画展 】「絵で祝ふ〜招福の美」
  • 【分館爲三郎記念館】同時公開
  12/22〜3/4
  • 【古川美術館 企画展 】「花鳥〜美の世界〜」
  • 【分館爲三郎記念館】「春季公開」
徳川美術館
935-6262
9/23〜11/6
  • 秋季特別展 宮廷の雅 -有栖川宮家から高松宮家へ-
  11/12〜12/11
  • 企画展示 国宝 源氏物語絵巻に挑む -東京藝術大学 現状模写-
名都美術館
0561-62-8884
CDA会員特典有
10/29〜12/4
  • 【所蔵作品展】名都美術館コレクションII 凍れる季節
  10/29〜11/13
  • 【併設企画】葛 皓(かつら ひろし)&中山幸昶(なかやま こうちょう) の世界
杉本美術館
0569-88-5171
9/22〜12/27
  • 「秋を描く」
  • 【同時開催・特別企画展】「ハイキングへ行こう」
   
  • 「塔を描く」
  • 【特別企画】「雪景色」【同時展示】「幡」
大一美術館
 413-6777
10/25〜4/22
  • 【企画展】アール・ヌーヴォーに見るジャポニスム展
    【特別展示】作品名:冨嶽三十六景 凱風快晴(1830年代) 作者:葛飾北斎
桑山美術館
 052-763-5188
9/6〜12/4
  • 開館30周年記念 「茶道具特別展 〜『桑山美術館所蔵品選』より〜」
  1/7〜2/5
  • 開館30周年記念 「現代陶芸 −昭和の名匠を中心に−」
岡崎市美術博物館
0564-28-5000
10/8〜11/20
  • 【テーマ展】浄土へのいざない ―三河浄土宗寺院の歴史と美術―
  12/3〜1/29
  • 【企画展】村山槐多の全貌
  2/11〜3/25
  • 【企画展】宗廣コレクション 芹沢_介展
豊田市美術館
0565-34-6610
9/17〜12/25
  • 【企画展】小川待子−生まれたての〈うつわ〉
  • 【常設特別展】新・陶・宣言
  1/7〜4/8
  • 【企画展】山本糾
  • 【常設特別展】見えるもの/見えないもの
豊田市民芸館
0565-45-4039
9/13〜12/4
  • 【特別展】日本民藝館コレクション〜柳宗悦の眼〜
  12/13〜3/4
  • 【企画展】民窯-無名の職人とその仕事−
  3/13〜5/27
  • 【企画展】名誉市民 本多静雄コレクション-新収集資料展I-
刈谷市美術館
0566-23-1636
9/3〜10/2
  • 【常設展】没後10年 上原欽二展
  10/3〜1/10
  • 臨時休館
  1/11〜2/19
  • 【常設展】絵本原画展
名古屋ボストン美術館
684-0101
9/17〜2/12
  • 恋する静物−静物画の世界
  3/17〜5/27
  • ザ・ベスト・オブ・ファッション −華やぐミューズたち−
メナード美術館
0568-75-5787
9/15〜12/23
  • メナード美術館コレクション名作展
松坂屋美術館
264−3611
10/19〜11/27
  • 松坂屋創業400周年・松坂屋美術館開館20周年記念 茶碗 今を生きる ?樂歴代と時代を語る名碗(仮称)ー
  12/3〜1/22
  • 日中国交正常化40周年記念 地上の天宮 北京・故宮博物院展
  1/28〜2/5
  • 第56回 現代書道二十人展
  2/8〜2/26
  • 生誕100年記念 伊藤清永展 ?華麗なる女性美の表現?
高浜市やきものの里
かわら美術館

0566-52-3366
10/1〜11/6
  • 2011イタリア・ボローニャ 国際絵本原画展
  11/12〜12/25
  • 八奏工芸展
  1/2〜2/12
  • 館蔵品展
  2/18〜3/25
  • 第21回日本陶芸展
美術館等 [ 岐阜県 ]
岐阜県美術館
058-271-1313
10/12〜1/15
  • 【企画展】ドキュメンタリー岐阜135
  1/11〜5/13 【所蔵品展示】リニューアルオープン記念 三幕の物語
第一幕:メセナが育む未来への遺産 田口コレクション、安藤基金コレクション 第二幕:郷土作家逍遥 第三幕:ルドン氏が見た夢
  2/10〜3/4
  • 【企画展】第6回円空大賞展
岐阜県現代陶芸美術館
0572-28-3100
9/16〜11/27
  • 魅惑の北欧アールヌーヴォー 塩川コレクション ロイヤル コペンハーゲン・ビング オー グレンダール
  9/16〜10/23
  • モザイクビエンナーレ'11
    手と心と話した アール・ブリュット美濃展
  11/12〜2/12
  • アラビア×フィンランド陶芸
  12/10〜3/25
  • 岐阜県陶磁器試験場の100年展
  2/12〜
  • 井田照一展 −土に挑む−
美術館等 [ 三重県 ]
三重県立美術館
0592-27-2100
9/10〜10/23
  • 藤島武二・岡田三郎助展
  11/8〜1/22
  • イケムラレイコ うつりゆくもの
  2/4〜3/25
  • コレクション展 エトランジェ−異国への眼差し
美術館等 [ 新潟県 ]
新潟県立近代美術館
0258-28-4111
11/3〜1/15
  • 借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展
  2/28〜4/15
  • びじゅつのあそびば
美術館等 [ 長野県 ]
長野県信濃美術館
026-232-0052
10/27〜12/18
  • 五感でアート PartII
  12/24〜1/10
  • 新春特別企画 屏風の彩り (第1展示室)/美術館でおしゃべりしよっ!2011−絵をみて話そう みんなで話そう− (第2展示室)
  12/24〜1/29
  • 版画の世界 オノサト・トシノブ、靉嘔、池田満寿夫
  2/2〜2/21
  • 近現代の絵画 日展出品作家たち
  • 自画像・肖像画を描く
  3/9〜3/25
  • 新収蔵作品展
 東山魁夷館 7/28〜9/27
  • III 日独交流150周年記念 ドイツ・心の旅路
  9/29〜11/29
  • IV 巡りゆく日本の山河
  12/1〜1/31
  • V 中国を行く
  2/2〜2/21
  • VI 麗しの大和 (2月)(東山魁夷館メンテナンスのため、信濃美術館で東山魁夷作品を展示)
  2/23〜3/27
  • VI 麗しの大和 (3月)
北澤美術館
0266-58-6000
北澤美術館新館
0266-57-2100
清里北澤美術館
0551-48-5000
3/29〜12/上旬
  • 【北澤美術館新館】企画展「ルネ・ラリックと香りの世界」
  7/16〜12/6
  • 【北澤美術館本館】特集展示 何に使われたでしょう
  9/17〜11/27
  • 【北澤美術館本館】京都画壇の精華
  9/6〜11/30
  • 【清里北澤美術館】野村陽子 植物細密画展
  7/2〜11/30
  • 【清里北澤美術館】佐藤透 コア・ガラス展